2008年度 北海道産オオクワガタの飼育記録

種親の紹介
♂:76mm ♀:50.5mm

このページでは北海道厚沢部産F3の飼育記録を公開して行きたいと思います。

今回の飼育菌床は「Grand-Master 」と「Grand-Grow」を中心に据えて行う予定です。
特殊ヒラタケ系とオオヒラタケ系の2種の比較、交互使用等も行えればと思っています。

前回に引き続き羽化までの記録を掲載しようと思いますが、これまた長い作業となりそうです。
またよろしければお付き合いの程をお願いします。



北海道厚沢部産F3飼育表

1本目 2本目 3本目 4本目
以降
羽化日 性別 サイズ ビンの種類と容量
EO
01
8/23 2/23
16g
7/23
21g
12/10
19g
6/8
蛹化
確認
2010
7/上
61
@Grand-Gt PP1100cc
AGrand-Grow PP1100cc
BGrand-Grow PP1100cc
CGrand-Master PP800cc
EO
02
8/23 12/22
20g


2009
3/下
65 @Grand-Gt PP1100cc
A
Grand-Grow PP1100cc
EO
03
8/23

12/下
蛹化
羽化
不全
@Grand-Gt PP1100cc
EO
04
8/23 12/9
3齢


2009
2/下
42 @Grand-Gt PP1100cc
A
Grand-Gt PP1100cc
EO
05
8/23 12/9
3齢


2009
3/下
42 @Grand-Gt PP1100cc
AGrand-Gt PP1100cc
EO
06
8/23 12/9
3齢


2009
3/10
68 @Grand-Gt PP1100cc
AGrand-Gt PP1100cc
EO
07
8/23 12/9
3齢
1/22
18g

2009
2/中
65 @Grand-Gt PP1100cc
AGrand-Master PP1100cc
BGrand-Master PP1100cc
EO
08
8/23 12/9
3齢
1/22
21g

2009
3/中
68 @Grand-Gt PP1100cc
AGrand-Master PP1100cc
BGrand-Master PP1100cc
EO
09
8/23 12/9
3齢


2009
2/25
@Grand-Gt PP1100cc
A
Grand-Grow PP1100cc
EO
10
8/23 12/9
3齢

1/中
蛹化
2009
2/3
43 @Grand-Gt PP1100cc
A
Grand-Grow PP1100cc
EO
11
8/23 12/9
3齢
1/22
22g
2/中
蛹化
確認
2009
3/11
70 @Grand-Gt PP1100cc
A
Grand-Grow PP1100cc
BGrand-Grow PP1100cc
EO
12
8/23 12/9
3齢
1/22
23g

2009
3/上
68 @Grand-Gt PP1100cc
A
Grand-Grow PP1100cc
BGrand-Grow PP1100cc
EO
13
9/14 1/29
15g
3/29
20g
C5/20
23g
D10/5
25g
2010
8/上
74
@Grand-Master PP1100cc
A
Grand-Master PP1100cc
BGrand-Master PP1100cc
CGrand-Master PP1400cc
DGrand-Master PP1100cc
EO
14
9/14 1/29
16g



@Grand-Master PP1100cc
A
Grand-Master PP1100cc
EO
15
9/14 1/29
11g


2009
3/上
41 @Grand-Master PP1100cc
A
Grand-Master PP1100cc
EO
16
9/14 1/29
11g
3/29
24g
C6/10
27g
D9/5
27g
蛹体重
21g
2010
6/下
羽化
不全
@Grand-Master PP1100cc
A
Grand-Master PP1100cc

BGrand-Master PP1100cc
CGrand-Master PP1100cc
DGrand-Master PP1100cc
EO
17
9/14 1/29
18g
3/12
23g
C6/10
27g
D9/25
27g
2010
7/中
77
@Grand-Master PP1100cc
AGrand-Master PP1100cc
BGrand-Master PP1100cc
CGrand-Master PP1100cc
DGrand-Master ガラス2000cc
EO
18
9/14 1/29
18g
3/29
26g
8/23
28g
2010
7/中
77
@Grand-Master PP1100cc
AGrand-Master PP1100cc
BGrand-Master PP1400cc
CGrand-Master PP1400cc
EO
19
9/14 1/29
14g
3/29
23g
C6/10
25g
D9/25
25g
2010
7/上
76
@Grand-Master PP1100cc
A
Grand-Master PP1100cc
BGrand-Master PP1100cc
CGrand-Master PP1100cc
DGrand-Master PP1400cc

2010/9/1 完


結果は飼育表へ掲載していましたが、最後に一頭だけ残っていた「EO-13」の体長測定を行いました。これで「2008年度北海道産オオクワガタの飼育記録」の結果は全て出揃いました。

採卵から羽化まで、長い個体で2年が経過しましたがそれなりの結果となった様に思います。とりあえずは、北海道産オオクワガタの飼育記録はこれをもちまして完了と致します。

最後に、珍しい飛翔画像を掲載します。

2010/9/1 現在

EO-18
EO-19

「EO-17」〜「EO-19」までの体長測定を行いましたが、結果は飼育表の通りとなっています。

掲載した画像は「EO-18」と「EO-19」のものです。
北海道産らしい形状をしていて、特に「EO-19」は良い形をした個体です。

北海道産の2年1化型でも80mmには届きませんでしたが、種親の個体形状と体長を超えることができましたので良しと判断しています。

2010/8/16 現在


画像は無事に羽化した「EO-01」です。
ごらんの様な中歯型の良形個体となりました。
体長は61mmと中型個体になるかと思いますが、小さいながらも迫力があります。

もう一頭、蛹体重の画像を掲載していた「EO-16」ですが、残念ながら羽化不全となりました。

2010/7/25 現在


「EO-01」の蛹化を確認しました。
ご覧の通りの中歯型ですから、その小ささが判ると思います。

割り出しから羽化までにおよそ2年掛かる計算となりますが、歳月を要したからと言って必ずしも大型個体になる訳ではありません。これはグランディスにも言えることですが、種を保存する為の何らかの摂理が働いている様にも感じられます。

国産オオクワガタの、それも北海道産の中歯型の飼育個体は見たことがありません。
羽化が少々楽しみでもあります。

2010/6/8 現在


「EO-16」が先日蛹化しましたので取り出し測定しました。
ご覧の蛹体重となっていますが、まずは無事に羽化してくれればと思います。

この個体はGrand-Master 菌糸ビンのみを使用した飼育結果となっています。
Grand-Master 菌糸ビンは、本来グランディスの後期幼虫飼育に的を絞った菌糸でしたが、今回の飼育結果から、北海道産のオオクワガタにも適した菌糸であると判断しています。

北海道産の本種を一度でも飼育されたことがある方ならば判るのではと思いますが、北海道産のオオクワガタは寒冷地に生息していることもあってか、飼育しても大きくなりにくいと言われています。実際に北海道産の80mm以上の作出記録を目にすることは殆どありませんので、この点に関しては合っている様にも感じられます。

今回、とりあえずは20gを超えて来ていましたので、親超えができそうな気配ですから良しとしたいところですが、無事に羽化しましたらまた掲載したいと思います。

2010/5/12 現在


先日、越冬モードの♂達を平常モードへと移行させていましたが、本日菌糸ビンをチェックしてみると、その内の一頭、「EO-16」が蛹化の準備を始めていました。

写りは悪いですが、画像は蛹室を形成していた「EO-16」のものです。
これから暖かくなるにつれて、幼虫達の動きも活発化してくるものと思います。

とりあえずこの一頭は蛹化モードへと移行できそうですが、蛹室をビン底へ作りましたので、蛹化しましたら蛹は取り出す予定です。

2010/4/19 現在


まだ記載していなかった個体を飼育表へとUPしました。
早期に羽化した個体達はこんな感じとなっています。

画像はガレージ隣室で越冬モードへ移行させた♂の菌糸ビンです。
北海道産のオオクワガタは特にですが、冬季に飼育温度を下げないと、翌年の春以降上手く蛹化してくれません。冬季の温度管理が主因となり、蛹化しにくくなる傾向があると思われます。

これは俗に言うセミ化現象ですが、この現象を防ぐ為に冬季間は飼育温度を下げて越冬させます。北海道産は、この処置を行わないとひどいセミ化を招くことが実はあります。もっとも、この処置を行ってもセミ化は起こりますので、これがすべてとは言えませんが、経験上この処置が一番効果的であると判断しています。

来春以降、上手く蛹化することを期待しているところです。

2009/11/16 現在

EO-02
EO-07
EO-08
EO-12

羽化個体を一挙に紹介したいと思います。
上の画像がそれでしたが、体長は65〜68mmと極一般的なサイズです。

画像を見てお判りの通りですが、極太個体とは対極的なほどスマートなフォルムをしています。
北海道産のオオクワガタが持つ体形に近いものであると思います。

体長が伸びなかった理由についてはある程度把握出来ていましたので、後半に控えている28〜27g台の幼虫に期待しているところです。

ちなみに、幼虫達の管理もまとまっておりません。欠落している部分もありますが、良い感じに育っている個体も居て楽しみなところです。

2009/9/7 現在

EO-16 EO-17

菌糸ビンGrand-Master を使用している、「EO-16」、「EO-17」、「EO-19」のビン交換を行いました。
画像はそのなかで最大であった「EO-16」、「EO-17」のものですが、良い感じに育っています。

羽化している個体達も居りますが、店舗の移転があった為、今のところ手が廻らない状態です。
時間が出来た時にでも、取り出して体長測定を行いたいと思います。

今現在の状況ですが、キノコが生え難い特殊ヒラタケ菌を使用したGrand-Master を使用しているビンが良い感じに育っています。北海道産のオオクワガタには適している様に感じられます。

2009/6/10 現在


菌糸ビンGrand-Master を使用している、「EO-13」、「EO-16」、「EO-18」、「EO-19」のビン交換を行いました。画像はそのなかで最大であった「EO-18」のものです。

2006年に飼育した唯一の♂は、最大27gで76mmが羽化していますので、この個体も75mmを超えて欲しいところです。ちなみに、この個体はGrand-Master のPP1400ccへと移行させています。


次は取り出した「EO-11」です。大きさは70mmほどですが、オオアゴがすらりと伸びたその容姿は、北海道産らしさを漂わせています。

北海道産の飼育個体は、昨今の太さを強調した飼育個体とは一線を画しています。
天然に近いと言っても良いほど、個体としての形状を保っていると思います。

個人的には良い個体であると感じています。

2009/3/30 現在


「EO-11」が羽化しました。
オオアゴはご覧のようにシャープで、野性味あふれる形状となっています。

このほかに「EO-06」も羽化していましたので、しばらく経ちましたら取り出し測定したいと思います。そのほかでは「EO-10」が羽化していました。また、「EO-17」のビン交換も行っています。

2009/3/12 現在


「EO-11」の蛹化を確認しましたので、露天掘りを行いました。

孵化から蛹化までの期間から察しても、流石に想像通りで、早期羽化タイプもここまで来ると、小型もよいところです。

羽化体長は、たぶん70mm前後だと思われます。
また、♀の「EO-10」も羽化していましたが、こちらも小型です。

2009/2/20 現在


画像はありませんがEO-13〜19までのビン交換を行いました。
(詳細につきましては飼育表をご覧ください。)

Grand-Master は菌床のページにも記していますが、初齢〜3齢初期までの成長速度はゆっくりです。初齢〜じっくりと育てるタイプの菌床ですが、道産オオもグランディスと同等の様です。

3齢期からの成長はなかなか良いものがありますので、これからの成長に期待していますが、今回の交換で個人的に期待している幼虫はEO-16だったりしています。

飼育表を一見する♀と思われるほど全然成長していないのですが、この個体には何となく惹かれます。特段の根拠は無いのですが、飼育者としての「勘」からくるものです。

2009/1/29 現在

EO-12 EO-08

♂の喰いがあまりにも良いため、予定より早くビン交換を行いました。
計4頭の♂ですが、左のEO-12はGrand-Grow、右のEO-08はGrand-Master での飼育です。

初齢割り出し後5ヶ月目でしたがそれなりに育っている様です。
このビンでもう一伸び期待したいところです。

2009/1/22 現在


本日、菌糸ビンを確認したところ「EO-03」が蛹化していました。
おそらく12月の下旬に蛹化したものと思われますが、初齢で割り出したのが08/8/23ですから、約4ヶ月目での蛹化です。

短期間での蛹化はグランディスにもありますので特段変わったことでも無いのですが、この個体は早期羽化タイプの典型的なパターンのようです。

ちなみに蛹体重も計量しています。早期羽化タイプは往々にして小型ですが、その重さは8gと言う軽さ。この蛹の小ささが判ると思います。

2009/1/6 現在


♂と判断していた一頭(EO-02)のビン交換を行いました。
♀と判断しているEO-01、EO-03はこのまま引っ張る予定です。

この幼虫の種親は3ヶ月目の交換時に23gありました。
今回の4ヶ月目で20gは少々期待はずれです。

とは言え、飼育温度帯が前回とは違いますので今後に期待したいところです。
それにしても、北海道産オオクワガタはオスと言えども小さいです。
グランディスの大型メス幼虫と同等程度の大きさです。

2008/12/22 現在


画像はありませんが、EO-04〜12 までのビン交換を行いました。
3齢となりましたので、性別の判断と菌糸の変更を行った具合です。

今回は時間の都合上、体重測定は行っておりません。
体重の測定は次回のビン交換時に予定しています。

※EO-01〜03は試しにもう少し引っ張りますが、近々ビン交換を予定しています。

2008/12/9 現在


小さめの産卵材(当店カワラ材)が一本ありましたので、追加セットを試みました。
割出しの結果は7頭でしたが、 今回の飼育菌床は「Grand-Master 」へ投入しています。

2008/9/14 現在


産卵材(当店カワラ材)より幼虫を割り出しました。
幼虫達は12頭が得られましたが、産卵セットへの産卵材は1本のみです。1本のみとした理由は幼虫が湧くように採れても少々管理に困るからです。

国産オオはグランディスと違って黙っていても幼虫が採れ、温度管理さえしっかりしていれば一年中採れます。とは言っても、当店ではグランディスも一年中幼虫が採れているのですが。(国産オオほど簡単ではありませんよ)

頭数的にベストなタイミングで産卵材を隔離したと思えます。初回の菌糸ビンは丁度良くGtブルーの手持ちがありましたのでGtブルーへと入れています。

2008/8/23 現在